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国家と神とマルクス/佐藤優

本書の概略

著者の佐藤優氏は、外務省に在籍しロシアを担当していたが、鈴木宗男の逮捕に関連して逮捕され、1年半余り東京拘置所に入っていた。本書は、左派・右派の様々な雑誌に掲載された文章や対談、拘置所内で読んだ本の読書メモなど、単行本として出版されていなかった文章を1冊の本にまとめたもの。

前半は、自身が逮捕された「国策捜査」とこれに関連する文章が多い。後半は、ロシア(ソ連時代)と社会主義に関する対談や考察。表題の「国家と神とマルクス」は、著者が物事を考えたりするときの基準となっている3つを並べたもの。キリスト教における「神」と、日本という「国家」、「マルクス」が経済学者として分析した資本主義の在り様(資本論?)、この3つを著者は「自分の中の絶対的基準」として掲げており、この3つを独立した軸として本書は構成されている(国家と神とマルクスの3者の相互の連関について記述されているのではない)。

感想

普段は読まないジャンル(著者の経歴)ではあったが、それだけに自分にとっては新規性の高い内容であった。社会主義については予備知識もなくほとんど理解が及ばなかったものの、そのほかにも様々な示唆を得ることができた。特に強い印象を受けたのは、以下の二点である。一つは、著者自身が「国策捜査」を経験して実感を持った「理性の狡知」というものについて、ヘーゲルを引用して述べている。もうひとつは、「神皇正統記」(北畠親房著)による、「神の国」の本当の意味について。

以下、その他キーワード列挙

マルクスの資本主義と恐慌、イデオロギー、インテリジェンス、ベネディクト・アンダーソンナショナリズム、コルプス・クリスチアヌムと法治主義、内在的論理、寛容