中国とインドの地政学ゲームとネトゲ

FOREIGN AFFAIRS REPORT 2015 No.11の「新グレートゲームーインド太平洋をめぐる中印のせめぎ合い」を読んで

既視感を覚えました。

2年前くらいまでハマってたネットゲーム「ブラウザ三国志」、略称ブラ三。まだあるのかな?

ブラ三ってのは、1000×1000マスくらいに区切られたエリア内で、数百人がプレイする陣取りゲームみたいなもの。初期配置として自分の城を1マス与えられて、まずは自分の城内で食料や資材、兵士などを作る「内政」と、数マス離れたご近所さんや遠くの知り合いと書簡や掲示板でやり取りし、同盟関係などを築きながら協調してゲームを攻略していく「外交」を行っていきます。

自領土に隣接した空き地のマスや他者の取得したマスに兵士を送り込んで勝利すれば、そこが自分の陣地になります。

当然、他人の陣地を攻めれば外交上良くないことになり、時には戦争に発展する事も。

そんなゲームで、たかがゲームなのですが、ゲーム内の「外交」も現実の国家間の外交も本質的には同じ方法論で進行しているのだな、と思ったのです。

中国はマラッカ海峡を経由するシーレーンを確実にするために、東南アジアの海域を確保しようとしています。さらに、マラッカ海峡を通らないルートをも確保するため、中国とインド洋やアラビア海の間にある国々、バングラデシュやパキスタンなどの国に投資し、港湾や道路を整備しているそうです。ところがこれらの国々はまたインドの周辺国でもあり、これらが中国に接近することはインドにとってみれば脅威となるわけで、インドはそれらの国との文化的な近さで以て接触し友好を図っているというのです。

ブラ三のようなゲームでも経路の確保は重要で、友好的な関係にあるばあいは交渉で経路上の土地を借りることもあります。しかし、数ヶ月に渡るゲーム期間中にご近所さんが攻めてきたら、あるいは戦争に巻き込まれたら、または自分達から戦争を仕掛ける予定があるなら。当然、補給路は多い方が良く、また資源豊富な土地も多い方がよく、自分の本拠地周辺は味方ばかりで固めておきたいという心理が働きます。暴虐で自分勝手な振る舞いをするプレイヤーは、強大な正義の同盟連合に討ち落とされて身動きできなくされますが、大同盟どうしの戦争では弱小プレイヤーが巻き添えで落とされることもある。

単純なルールでできたゲーム内に現実の縮図のような世界が形成されるのは、そこに人間の意志があるからですよね。その意思には、他人よりも優位に立ちたいという思いと、他人に裏切られるかもしれないという恐怖とがあります。単にカードを集めてバトルするというゲームならば、優位に立ちたいという気持ちで構成されるのかもしれませんが(やったことないんでわからないけど)、そこに土地という要素が入ってくると、裏切りの恐怖の方が支配的になっていく気がします。恐怖心が戦略を決めてしまい、また恐怖心が戦争の引き金にもなるのです。

仲良く共存できるのが理想的ではあるのですが、この大きな恐怖心を相互依存や信頼によって克服できる日は来るのでしょうか。