まるやま消費録

もったり暮らす30代女子!が買ったものとか観たものとか記録する日記です。

ドラマエンジェルハートのおネエキャラについて

ドラマ版エンジェルハート全9話、見終わりました。

私は7歳くらいからシティハンターが大好きで、今も半ば惰性でエンジェルハートのコミックを買ってるのでまあファンといえるかも。とはいえ漫画の映像化はクオリティが下がるのが常なので、エンジェルハートドラマ化にもさほど期待してはいなかったのですが、Huluで見られるようなので見てみました。

世間の評判は割と良いみたいで特にキャスティングは評価高いですね。私もリョウ、ファルコン、冴子の3人はかなり再現度高くて驚きました。映像やアクションが残念なのも予算的には仕方ないのかなと思え、暇つぶしに食器洗いながら見るのにはちょうどいいドラマといった感じでした。とはいえ原作好きじゃなければ絶対見ないレベル。

まあそのような感想はネットにいくらでもあるので、私自身がちょっと気になった点をメモしておきます。

ドラマ版エンジェルハートに登場するおネエキャラについて

エンジェルハート原作者の北条氏は、確かシティハンターの頃からマンガ内にオカマキャラを結構書いてました。1980年代で、その時代もあって典型的なオカマキャラ。シティハンターの連載終了後は男女逆転家族愛ストーリー「ファミリーコンポ」を描くために青年誌に移りました。ファミリーコンポは、一見普通の仲のいい家族ですが美人のお母さんは生物学的性別が男性、人気漫画家でかっこいいお父さんは生物学的女性、その他LGBTのキャラクターが複数登場するマンガです(そのため少年ジャンプでは連載許可が出なかったとか)。ファミリーコンポは1996~2000年に連載。2000年からエンジェルハートの連載開始、エンジェルハートにもモブキャラや依頼人として何人かゲイのキャラクターが登場していますが、その性格や生き方は様々です。

一方ドラマ版エンジェルハートですが、ほぼ毎回登場する登場人物は15人。そのうち原作にない人物は5人。そのうち3人がステレオタイプなおネエキャラです。このおネエ3人はメインストーリーにほぼ絡まず、ドラマ内のギャグパートの80%を担当していますが、そのギャグパートはかなり唐突で脈絡が無いものでした。残り20%担当は冴子の部下の男で、冴子にデートを申し込んで振られるというお約束展開により、原作に描かれていた30代後半男っ気無しの独身という冴子のコンプレックスをドラマ内では無いことにしてしまうという役割を果たしています。一方、おネエ3人組は、本当にただ唐突に画面上をギャグシーンに染め上げ、シーンを和ませ、その役目が終わると画面外に去っていくという使われ方をしています。

エンジェルハートはコメディ要素のある作品だし、シリアスな展開ばかりでは息が詰まるので和ませるシーンはあった方がいい。しかしながら、その役割をほとんどおネエキャラに頼りきりというのは、安易に過ぎるのではないかと思います。

しかもそのおネエキャラというのが本当にステレオタイプな、ハイテンションで押しが強く若いイケメンに強引に迫ることもあるが人情に厚く割と良い人、という感じで。

ここ10年以上はテレビ見てないので知らないのですが、今もテレビ業界はこういう感じなのでしょうか。おネエキャラが数年前くらいからやたらと持て囃されていたのは耳にしていますが、こういうステレオタイプの拡大再生産みたいなことはそろそろ止めていった方が良いんじゃないでしょうか。同性婚が最近話題になってましたが、はてブで反対意見のいくつかに「こいつらテレビに出てたらテレビ消す」みたいなのがありました。カワイイ男の子、つまり自分より弱い人物に強引に性的関係を迫るというのは、たとえそれがお約束ジョークだったとしても不快感を覚える人がいるのは当然です。テレビとかでそういうゲイキャラばかりを見せるというのは、偏見を助長しているって事になるんじゃないかと。

2016年1月号のアフタヌーンに連載中の「白馬のお嫁さん」(庄司創)に年配のゲイのキャラクターが描かれてました(白馬のお嫁さんは50年後の未来、性のバリエーションが増えた時代を描くマンガ)。そのキャラの台詞がちょっと印象深かった。

「私の若い頃はね、ゲイといったらやたらと愛想のいい面白キャラを求められたんだよ。だからわたしはむっつり顔で金貯めてやろうと決めたんだ」

関西出身者もゲイの人も、面白キャラを求められたりしない時代が、はやく訪れるといいなと思いました。