チャイナ・シンドローム バグダッド・カフェ
レンタル店で映画通が選んだ映画1位として陳列されていた。アメリカ旅行中に夫と喧嘩したドイツ人の夫人が、同じく夫と喧嘩したアメリカ人女性が経営するホテル兼カフェに逗留する話。最初は言葉もうまく通じなかった二人だが、徐々に友人となっていく。温かくてちょっと面白いストーリーだった。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
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映画通が選んだシリーズ。数十年前の話だと思うが、原発事故?がテーマの話。チャイナシンドロームとは、核燃料が冷却不全で溶けて容器も溶かし、地表から地球を貫通して中国に達する…みたいな意味らしい。
最初からクライマックス並みの盛り上がりで、息もつかせぬスリリングな展開で最後まで一気に見てしまった。見てる最中は心臓が鳴りっぱなし。本当に恐ろしい話でした。
ちなみに暇子は脱原発派ではないです。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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しあわせ中国
雑誌「foresight」にて「フィクションながら現代の中国をよく描写している」云々と紹介されていたので読んでみた。
政治的な興味から購入したので、面白さはあまり期待していなかったのだが、意外にもひき込まれるストーリー展開と、余計な装飾のないすっきりした文体で、珍しく一気に読んでしまった。一部の伏線を放り投げ、楽園伝説を彷彿とさせるラストに物足りなさを感じはしたが、それでもエンターテインメントとしては充分に楽しませてもらった。一篇の映画のようだった。
内容については、中国の文化的・歴史的背景を知らないため理解しづらい箇所が多々あったが、なんとか現代の(小説の中の)中国人がどのように考えているのか読み取ることができたように思う。そこには私にとり多くの新しい発見があった。飽く迄小説の中の話なので実際にどうかということについては検証が必要だが、可能性としては大いに考慮されるべき項目である。以下箇条書きでメモしておく。ネタバレになるので本書を読もうと思っている人は以下を見ないことを勧める。
中国人は自由や民主主義といった価値観を「普遍的な価値」とは考えていない。
中国のシステムが「ポスト民主主義」の地位を占める可能性を考えている。
アメリカ、ヨーロッパと並ぶ「アジア」経済圏・文化圏の、中国を中心とした確立を望んでいる。それは環太平洋の枠からアメリカを排除し、日本と協調することで成立する。
中国人は、「日本人はアメリカに屈服させられた屈辱を感じている」と思っている。このため「日本と協調しアメリカを排除する」というシナリオを描くことになる。
中国人の多くは、過去に日本が中国に対し酷いことをしたと考えている。
上記のうち「ポスト民主主義」については、今日foresightで裏付けになりそうな記事を確認した。2013年2・3月号の「Foreign Affairs」(本家、日本版で記事が掲載されるかは未確認)に、副題「ポスト民主主義の未来、中国で始まる」という記事が掲載されたようだ。
「日本人のアメリカに対する感情」については、中国の掲示板に「日本人は米国にコントロールされていることをどう思っているのか?」というスレッドが立っていたようだ。以下は日本のまとめブログURLである。
http://touaseikei.matomesakura.com/?eid=877
また本書を読んでいる途中で、foresightに「『南方週末』の記事が書き替えられる」という記事が掲載された(しあわせ中国の作中でも南方週末の記事が書き換えられていた)などがあった。フィクションながら、リアリティを感じる要素が多かった。
- 作者: 陳冠中,辻康吾,舘野雅子,望月暢子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/10/31
- メディア: 単行本
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